あいさつ
「魅力ある図書館創りと
読書活動を求めた大会を終えて」
長野県図書館大会長
牛 山 圭 吾
平成21年10月16日(金)・17日(土)の両日にわたって、文化薫る長野県松本市を会場に、第59回長野県図書館大会並びに第25回北信越地区学校図書
館研究大会が開催され、成功裡に無事終了することができました。
大会開催にあたり、長野県内の図書館及び読書活動推進関係者、全国学校図書館協議会及び新潟・富山・石川県の北信越地区3県の学校図書館関係者の皆様方から多大なご協力とご支援を賜り、深く感謝申し上げます。
今年度の大会は、小・中・高校の学校図書館のみでなく、大学や公共図書館関係者に加えて、幼稚園・保育園の関係者と地域で読書活動を推進しておられる読書ボランティアの方々が多数参加していただき、幅広い立場の皆さんが一同に会する意義深い大会となりました。
本大会は、高度情報化、知識基盤社会を迎え、住民や子ども達のニーズに応える魅力ある図書館づくりや読書活動のあり方を求めて、企画・運営してまいりました。
テーマに「地域・学校“ともに進めよう”豊かな学びと読書活動」を、サブテーマに「読みたい・知りたい・調べたい、願いがかなう図書館めざして」を掲げ、多様な実演や新鮮で充実した実践報告、そして、活発な研究討議が行われました。
記念講演では、作家あさのあつこ先生より作家の立場から10代の読書のあり方を、全国学校図書館協議会の基調報告では、理事長森田盛行先生より全国の学校図書館の現状や図書館を巡る新たな状況をふまえた学校図書館の課題と展望について多大なご教示をいただきました。図書館活動や読
書活動を推進する私たちにとって、今後の活動の指針となり決意を新たにする機会となりました。
公共図書館部会では、住民の要望に応えるとともに生活や仕事の、あるいは地域の課題を解決する図書館、人々の暮らしや地域を支える「情報・生涯学習」の拠点としての図書館、迅速かつ的確な図書館サービスのあり方を巡って研究討議されました。
幼稚園・保育園部会では、公開保育や実践報告を通して、乳幼児の言語発達と読み聞かせの重要性、子どもに適した絵本の選書について研究を深めました。
小・中・高校学校図書館部会では、公開授業や研究協議・ワークショップ等を行って、学校教育の中核としての図書館づくりを求め、資料の充実や図書館の情報化・システム化、本と子どもを繋ぐ読書活動などの「読書センター」機能の充実、自ら学ぶ力や情報リテラシーを育てる「学習・情報センター」
の充実、図書館を活用した学習の推進等の課題の研究討議が行われました。
地域読書活動部会では、おはなし会や読書フェスティバルなどの活動報告や力量を高める実演が行われ、多くの方々が感銘を受けました。
一方、子どもの読書体験と学力の二極化、図書館資料費の減少傾向、身分不安定な小・中学校の学校司書、高校の学校司書の非正規職員化、公共図書館司書の非正規職員化、兼務で非専任の司書教諭、未設置の学校図書館支援センター、進まない読書ボランティアのネットワーク化など課題も多く提出されました。今後も連携して解決していかねばと心に強く感じた大会でもありました。
ここに大会の成果をまとめた記録集をお届けします。来年は読書立国をめざす「国民読書年」です。また、長野県図書館大会は、来年飯田市で、北信越地区学校図書館研究大会は、2年後に新潟県で開催されます。本大会の応援を今後の実績に生かし、その成果を持ち寄り大会が盛会になるようお
祈り申し上げます。
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