第8分科会
分科会テーマ:子どもと本を結ぶ活動(1)
~読書のたのしさを体験し、豊かな感性を育む読書指導のあり方~
発表者:阿部 悦夫先生(柏原小学校)
小山 千恵先生・南香織先生(糸魚川東小学校)
宮下 由美先生(三陽中学校)
助言者:倉品 章先生(三条市裏館小学校校長)
司会者:臼田 和子先生(野沢中学校)
記録者:西村 敦子(宮田小学校)古川 美恵子(五加小学校)
1発表要旨
子どもと本を結ぶ活動(1)~読書のたのしさを体験し、豊かな感性を育む読書指導のあり方~
発表者:阿部悦夫先生(柏原小学校)小山千恵先生(糸魚川東小学校)宮下由美先生(三陽中学校)
(1)図書館の環境整備:畳スペース・こたつの設置などでくつろげる図書館づくり。生徒の目的にあったレイアウト。システムの簡略化。
(2)地域の方との連携:地域の民話伝承(信濃町『かたかご童話会』)・ボンティアによる新刊本の受け入れ等や読み聞かせ
(3)行事・教科学習との連携:読書傾向やケータイ小説を好む理由など生徒の実態を知り、国語科と連携してケータイ小説にみられる恋愛や急展開、恐怖・緊張などの内容が含まれる短編小説の読み聞かせ。読み聞かせをきいた生徒はいいものをいいと感じている。また、国語の授業で絵本を読み一番気に入った本を紹介する。
(4)図書委員会と一緒につくる図書館:館内装飾・特設コーナー・新聞づくり
(5)読書指導:朝読書・読書旬間(親子読書、読書郵便、児童による読み聞かせ、生徒による放送図書館、イベント企画)・テーマごとに本を集め特設コーナーを設置
2協議内容
(1)親子読書を実施しても、親子一緒に読書することが難しい場合もある。その場合、寄せられた感想や読んだ本を図書館だよりや学級通信で紹介し、活動を共有していくことが大切である。また、「1冊の本を親子で分けて読む・親子で違う本を読んで感想を言い合う・感想だけをいう」など方法を提案していくことも必要になる。
(2)児童によるよみきかせなど児童が本を選ぶ時には教師の指導が必要である。例えば、相手を意識した日頃の活動の積み重ねや、絵や色・どのくらいの時間で読めるのか、など具体的な指導が必要になる。また、児童が本を自由に選ぶのではなく、テーマを決めて本を選ぶようにしたり、そのテーマと本を他の児童に知らせる場を確保したりすることも大切である。
(3)ケータイ小説など子どもには人気であるが、その本の内容を児童生徒としっかり話をしたり教師自身が読んだりして、図書館に入れる本入れない本をはっきりさせていかなくてはならない。
3指導者助言
○量から質へ:量から質の時代。子ども達に「いい本」を読ませたい。「いい本」とはどんな本なのか。ためになる本や感動する本ということでもない。「いい本」とはどういう本なのか話し合ってみるとよい。選書が大きなポイントであるが、難しい。本が紹介されている書籍などを参考にしていくのもいいだろう。それらの本を自分達で読んでみて感じたことを大切にしていきたい。また、長く読み継がれてきた本(古きよきもの)と新作の本(今のよきもの)とのバランスも大切。○教育が必要:始めから子どもがひとりで読書好きになるということはあまりない。本を読んでみたら楽しかった、親・友達・教師の影響でなど、何かきっかけがある。その中でも教師の影響は重要。子どもに対して先を見通した教育が存在すべきであり、それは組織的・計画的になされるべきである。○考える読書:感想文を書かせるのはかわいそうとか自由な読書を、ということが言われたが、読みっぱなしはもったいないのではないか。本を読んだ後の余韻を大事に考え、残しておいてもいいのではないか。その残し方は多様にある。書いて残しておくことも大事である。読書ノートと聞くと「いやだ。」という印象を持つが、楽しくかける工夫があればできると思う。☆今できることを地道にやっていくこと、まず一歩やってみること、その一つ一つの積み重ねが大切。地道な実践が子どもに伝わる。また、ひとりではなく、ネットワークをつくり情報を共有するなどネットワークを活用していきたい。
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