助言者 森済冨美代 ふわふわしっぽ(佐久市)
司会者 井出 道子 佐久市PTA親子文庫
発表者 小林 順子 絵本の会 (佐久市)
1. 発表の概要
絵本の会は、佐久市立泉小学校で読み聞かせを行っているグループです。選書を大切に考え、指導者の推薦書を参考にすると共に、自分たちの感性を磨く必要性を感じ、月1回の勉強会を行っている。その1つとして“比べ読み“を実際に分科会で体験していただく。
2. 討議
1)絵本の読み比べ
(1)「パンはころころ」マーシャブラウン作 やぎたよしこ訳 と「しょうがパンぼうや」
ポールガルトン作 ただひろみ訳
(2)「かいじゅうたちのいるところ」モーリスセンダック作 じんぐうてるお訳 と
「めっきらもっきらどおんどん」長谷川節子作
2)参加者の感想等
(1)・言葉にスピード感、リズム感があり、テンポの良い本である。
・パンが動き出し、最後にはキツネに食べられてしまうお話だが、そこまで行く課程は
ハラハラ、ドキドキの内容でキツネとの駆け引きはキツネのズル賢さがよく現れている。
・「しょうがパンぼうや」は最後のところでは勢いがなくなってしまうような感じがする。
(2)・「かいじゅうたちのいるところ」 絵が冷たい感じがある。
途中、文章が無く絵だけのページがあり、聞き手側が想像できる。
ページが進むにつれ余白が少なく絵の部分が多くなっています。子供の内面を絵本にしているような作家の個性が強く出ている作品である。
・「めっきらもっきらどおんどん」 おばけ達にも言葉や感情がある。
歌詞のような表現があり、子供達自信で節をつけ歌っている。
・どちらとも、おばけやかいじゅうのいる世界に入り違う世界を過ごした後、現実に引き戻されるものがたり。
※絵本の会では、「パンはころころ」「かいじゅうたちのいるところ」を読み聞かせに使っている。
3.まとめ
・絵本の読み聞かせは耳で音を聞き、目で絵を楽しむ事ができる。
・大人には様々な情報があり先入観をもって見てしまいがちですが、子供の心は純粋で、絵本の主人公になりきって、作曲したり感情を表現したり出来るので、読み手側はシンプルに読むようにしている。
・年代、作者、訳者、絵、言葉等は異なるが、同じ様な内容の本が多々ある。日本の昔話等は多くの出版社、作家が手掛けている。色々読み比べてみるのも良いと思う。
・普段、大人は読み聞かせをしてもらう事が少なく、「今回体験して新鮮だった。」という声もありました。大人同士で読み聞かせし合い、絵や内容、表現の仕方、言葉等感じた事を議論し、他人の見解を知るのも、読み手自身の感性を磨く1つの方法だと考えます。
・多くの本を手に取り読み返す事で、奥深さを味わう事が出来ると思います。そして、読み聞かせをする事で子供達に本を読む楽しさ生きる事の美しさや愛情を伝えていけたら、また、伝えていって欲しいと願っています。
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