第11分科会  「生徒にとって利用しやすい高校図書館のあり方」


助言者 なし
司会者 北原 幸 (松川高校)
発表者 中村 智子(飯山照丘高校) 〜テーマ本展示について〜
森山 妙子(諏訪清陵高校) 〜アンケートに見る高校生の図書館利用〜

1.発表の概要・討議
1)テーマ本展示について 〜高水支部のテーマ本展示の紹介〜
○ 本にスポットをあてる工夫として以下の事が高水支部からそれぞれ紹介があった。

○ 発表はプロジェクターで展示例を見ながら、展示に使用したポスターなどを紹介しつつ行われた。
・ 紹介本のあらすじを説明したPOPをつけて紹介する。
・ 季節・行事をイメージできるような装飾をする。
・ 生徒のおすすめ本を紹介する。
・ 図書館の入り口に派手で目立つパネルを置く。
・ 「何故?」という疑問点が浮かんでくるキャッチコピーをつける。

○ 質疑・応答
・ 凝った展示ほど、装飾品紛失の恐れはないか。
・ 学校におけるテーマ本展示の認知度は低い。
・ 展示企画の内容はどのように決めているか。

2)アンケートに見る高校生の図書館利用
○ 諏訪地区県立高校9校の生徒を対象に8項目についてのアンケートを実施。その結果を考察した。

○ アンケート8項目
図書館を利用しますか。 
本を読みますか。   
本を読む冊数はどのくらいですか。
雑誌は読みますか。   
マンガを読みますか。 
新聞を読みますか。 
今、一番の関心とほしい情報は何ですか。     
モノと思い出どちらが大事ですか。

○ 結果をうけて
・ 全体の80%が本を読むと答えたが、そのうちの25%しか図書館を利用していない。
・ 本を読まない、図書館を利用しない原因の大半は「忙しい」であった。
・ 約70%の生徒が新聞を読むと答えたが、「図書館で読む」と答えた生徒は1.6%だった。

○ 考察
・ 昨今インターネットによって、本を開かなくても情報が手に入るようになった。しかし、インターネットの情報の信憑性は置き去りにされていることが問題ではないか。生徒にメディアリテラシーを意識させることが必要ではなかろうか。
・ 図書館が生徒・先生に遠い存在にならないよう、職員との連携は欠かせない。図書館便りを配るときに、内容の紹介等をしてもらうなどの協力をお願いしたい。
・ 「図書館は情報を得られる便利な場所」という意識を生徒に持ってもらうためには、常に本は充実させておくことが重要ではないか。本の充実こそが、将来にむけての利用者獲得につながるのではないか。
・ 生徒のニーズにあわせていくことは大切だが、図書館を利用する特定の生徒だけのための図書館になってはいけない。全校生徒からのリクエストをどう吸い上げるかが今後の課題である。

2.まとめ
学校図書館では、なるべく多くの生徒・職員に利用してもらうように、テーマ本展示やレイアウト・POPなどを工夫している。しかし、アンケート結果をみると図書館の利用状況は「たくさんの生徒が利用している」とは言い難い。
この現状を踏まえて、私たちは生徒・職員に使われる図書館作りを目指していきたいものである。


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第12分科会 「学生にとって活用しやすい大学図書館のあり方」 
 〜図書館ガイダンス、パスファインダーを考える
  活用してもらえる図書館、図書館員をめざして〜



司会者   百瀬 ちゆき(松本短期大学図書館)
発表者   野口 眞澄(信州大学付属図書館農学部図書館)

1.発表の概要
 主に図書館利用教育、パスファインダー、利用者のニーズについてなど、日常業務の範囲内の実践例と現場の問題点と改善についての発表があった。

 学術情報基盤としての大学図書館等の今後の整備の在り方について、国や、文部科学省などは、大学図書館を学術情報基盤としてゆるぎない地位を与えているが、図書館の現場からみると充分活用されているか、また、学生もそのように思っているのか疑問である。利用者が来るのを待つという受け身的な態度は通用しない。積極的なサポートが大事。

 図書館利用教育ガイドライン(日本図書館協会図書館利用教育委員会:1998)によると、大学図書館の使命は、大学における、教育・研究・生活・および地域貢献等の諸活動に対する情報面の支援であり、その中の、U.各図書館で実施すべき項目と手順、4.目的・目標の設定では領域1〜5まであり、すべてカヴァーできているのがパスファインダーではないかと考える。

 信州大学付属図書館農学部図書館のオリエンテーションは、平成10年から毎年1回は行っている。はじめは、1時間30分程かけて図書館利用案内やOPACの使用法指導・検索方法など盛り沢山でやっていたが、利用者側としては必要ないことも聞くことになり時間的にも長かったので、今は対象者別に分けて短時間で行うようにしている。
 利用者ニーズ調査では、平成11年3月と平成15年12月に、利用頻度や満足度などについアンケートを実施。ほか、直接学生に質問した農学部学生10人の声や、信州大学農学部生協店長からのインタビューからは学ぶべき点が多々あった。

 図書館サービスの現場から近頃の現場の問題点として、OPACの検索だけですぐにあきらめてしまい、手近に入手できる情報のみを利用してしまっている。自主参加型の図書館ガイダンスの出席者が少ない。などが挙げられ、その問題点の解決に向けては、授業と連携した図書館ガイダンス等の開催や、教員との連携、全新入生対象に図書館オリエンテーションの実施、大学内の他部局との連携などが考えられる。

 授業・教員との連携することで、図書館員もより活性化し、学生の個人的利用も増える。今後の課題として、図書館ガイダンス等の利用教育を、大学図書館必須の業務として定着化。管理業務の効率化の推進、学生から学生へ教えるといった展開などができたらいい。などが挙げられた。

2.討議の概要
 学生用図書の選書方法と、副本についての考え方について/シラバス掲載図書の購入について/学生用図書費について/学生からのリクエスト本についての対応(基準)/図書の別置/などについて質問があり回答を得たほかに、質問の内容に対して他館から状況報告もあった。

3.その他
  図書館利用教育についてなど、参加各館ごとに現状の発表をした。
  最後に来年度の図書館大会ついての連絡等があり、定時に分科会を終了した。

記録:木下雅子(飯田女子短期大学図書館)

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第13分科会 「子どもと本を結ぶ活動 読み聞かせグループの実践を通して」

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第14分科会 「読み聞かせボランティアの集い」


 ◎形態   実践発表(文化会館大ホールステージ)
 ◎助言者  小島佐和子
 ◎司会者  向山敏恵
 ◎発表者  穂高親子読書推進の会・上伊那PTA親子文庫
 ◎記録者  高見千恵・田畑小百合・伊藤すみ子(以上上伊那)

  13:40  歌〔もみじ〕全員で合唱    指揮:池上(上伊那) 伴奏:村内(上伊那)
  13:50  アフリカの動物たち 第2集 ゾウの家族 宮田・小福・水間・久野・宮田光咲(以上穂高)
       大型映像と語りによる発表
  14:20  チロヌップのきつね 矢田・村内・金丸(以上上伊那)
       ブラックパネル、ピアノを使用した、語りの発表
  14:40  休憩
  14:50  ばっちゃのダダダコ  金丸・村内・橋爪(以上上伊那)
       太鼓・ピアノを使用した、語りの発表
  15:15  歌〔赤とんぼ〕 池上・村内(以上上伊那)
       ブラックパネル・ピアノを使用した、歌の発表
       その後、全員で合唱
  15:20  発表者からの説明

金丸(上伊那) お話を舞台用にアレンジしてあります。大きな舞台なので、太鼓を入れました。介護センターに行くときは、お年寄り向きに合わせます。

小福(穂高) 絵本ワールドで本日と同じ発表をしました。お父さんたちが多く、大きな画面でやったらどうかということになり、パソコンから取り込みました。著作権の許可もいただいてあります。

質問 

Q ブラックパネルで花が光っていたが、どうやったのか。

A ブラックライトを使用し、蛍光ポスターカラーを使用しています。色にこだわらず、想像で色付けします。
          

Q悲しい話をするとき泣いてしまいます。泣かない方法はありますか。
          

A私も泣きます。今日も泣いていました。人間として子どもに伝えてほしいので泣けてきたら泣いてください。違う場面になったら、気持ちを整理して切り替えるとよいです。

感想

伊那東部中では読み聞かせをしていただいているが、話の山場になると、教室がシーンとなり感動的です。読書に対する興味が湧いてきました。
                             (伊那東部中学校 三輪校長先生)

まとめ 

本当は各家庭で読み聞かせるために、本は小さくできています。しかし今は、親が忙しい時代で、教室・体育館で読み聞かせるため、大きなパネルにしたりして工夫しています。しっかりしたものを子どもに伝えていってください。
今日は、グループによる読み聞かせは、伝える力が強くなるという投げかけをしてくださいました。皆様も、今日の発表を参考にして、読み聞かせを実践してみてください。         (助言者:小島佐和子)

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