開会式挨拶

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主催者挨拶  中沢渥志 長野県図書館協会会長

主催者挨拶  中沢渥志 長野県図書館協会会長 皆さんおはようございます 大変ご苦労様でございます。ただ今ご紹介いただきました、図書館協会会長の中沢でございます。よろしくお願いいたします。

ここに55回平成17年度長野県図書館大会開催にあたりまして、長野県図書館協会を代表いたしましてご挨拶申し上げます。

まず、本大会をご支援いただき、ご多用の中ご臨席を賜りました、三浦佐久市長様をはじめご来賓各位、さらには本大会の開催を快く引き受けてくださいました佐久市近隣の町村に対しまして深く感謝申し上げます。
本大会は55回という節目の大会にあたり、そのときに佐久市で開催することになりました。佐久市は著名人が多く、また優れた図書館活動の普及、発展の歴史を持ち研究活動を推進されているところでございます。長野県の母親文庫の読書普及運動の推進を広めたところでもございます。この歴史と文化に恵まれた、英知と情熱を結ぶ21世紀の文化発祥の都市としてめざましいことがございます。

本大会テーマ「豊かな心をはぐくみ生活の中に読書を 本との出会い 人との出会い 確かな読書環境をつくり」のもとに、佐久市の風に乗せて未来へ発信するにふさわしい情報のしくみとして、図書館が未来に何を発信するか、この地に県下各地からお集まりいただきました図書館関係者が集い、研究協議することは誠に意義深いことと考えます。社会構造の変化や情報通信技術の発展を受けて、図書館も変革のただ中にあると言えます。直面する問題は多岐にわたり、課題を解決するためには多くの方々が知恵を出し、研究協議することが必要であります。公共図書館・学校図書館・大学専門図書館・PTA親子読書推進の会・読書団体など、図書館に関心を持つすべての人々が一堂に会すこの大会が実りの多く、この成果により未来に向けて図書館が確実に前進するものとなるよう、期待いたすものでございます。

私たちは新たな長野県図書館協会を創造し、図書館活動を安定させ、地域文化の振興に寄与したいという考えの基に、本年8月に新たな長野県図書館協会を設立しました。この趣旨にご賛同を得て一人でも多く入会していただき、この会の活性化とご支援ご協力を切にお願いするところでございます。

最後に大会実行委員会、運営委員会を始め地元関係者の皆様方、この大会のために長期にわたって入念なご準備をいただきまして県大会が開催できますことを深く感謝を申し上げまして私の挨拶とさせていただきたいと思います。

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主催者挨拶 長野県教育委員会 米澤 修一 教育次長

主催者挨拶 長野県教育委員会 米澤 修一 教育次長 お集まりの皆様、おはようございます。ただ今ご紹介いただきました、長野県教育委員会教育次長の米澤修一と申します。よろしくお願いいたします。

第55回長野県図書館大会を開催いたしましたところ、県内各地から多くの方々にご参集を賜り、誠にありがとうございます。また、三浦佐久市長様を初め来賓の皆様におかれましては、お忙しいところご臨席を賜り、盛大に本大会が開催できますことに心より厚く御礼を申し上げます。

今、私たちをめぐる社会環境は、変化の激しい時代にありましてテレビ・ビデオ・インターネット等の様々な情報メディアの発達および普及、子どもの生活環境の変化、さらには幼児期からの読書習慣の未形成などによる子どもの読書離れが指摘されております。平成15年度の学校図書館協議会の読書調査では、一冊も本を読まなかった子どもたちの割合はここ数年減少傾向にあるものの、高校生では43%にのぼるということになっております。成長過程にある子どもたちが、読書環境から遠ざかってしまうことは、大変憂慮される状況でございます。県といたしましては、平成16年の4月に長野県子ども読書活動推進計画を策定いたしまして、すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるように普及計画に努めております。各市町村におかれましても、子ども読書活動推進計画を策定いただきまして、強力に推進していただきたいと思っているところでございます。

また、県では図書館未設置町村などにおいて高等学校や中学校の図書館を活用した地域住民への図書の貸し出し、公民館図書室での団体貸し出し、県立図書館の蔵書を自宅で受け取れる宅配貸し出しなどを行っております。すべての県民が生涯学習の場として、読書に親しむことができるように努めております。県民の読書活動を振興のためには、家庭・地域・学校などが連携しながらそれぞれの役割を果たしていくことが重要でございます。県教育委員会といたしましてもこれらの事業を実施していく中で、ここにお越しの教育委員会ならびに図書館の関係者の皆様方へも協力や支援して参りたいと考えて思いますのでご理解とご協力をお願い申し上げます。

今大会での石川英輔 先生の基調講演や各部会におきます発表等などを契機に皆様方の活動が地域の豊かな読書環境を培い、また未来を担う子どもたちに、自ら考え健やかに生き抜く力と勇気を与えるものになるよう心から願うところでございます。

ここで、本日のテーマに関する本とか読書に関するお二方の言葉を紹介させていただきたいと思います。
一つは ノーベル文学賞作家の、大江健三郎さんの本に、「新しい人の方へ」という随筆がございます。一説を読ませていただきたいと思います。

子どもの読書はそれによって生き生きとした新鮮な世界に、つまり言葉の迷路のような未知の風景に飛び込んでいく経験です。しかし、それは自分の将来の日々のための、そこで人生の締めくくりにどうしても必要な、方向性のある探求をするための時間をかけての準備でもあるのです。大人には一緒に本を読む子どもにそのことを予言してやる必要があります。そして本の選択に予言をしてやる責任があります。

こんな言葉がございました。もう一つは、美智子皇后様の、「バーゼルより」という本にあります。
2002年の9月にスイスのバーゼルで開催されたIBBY(International Board on Books for Young People)ですけれども、その会議に出席された皇后様のご挨拶の中にこんな言葉がありました。

私がこのたびバーゼルに参りましたのは、私自身がかつて子どもとして本から多くの恩恵を受けたものであったからです。私がこの大会で自分にできることは何かを自分に問いかけ、それはかつて自分の本から受けた恩恵に対して、今も私が深い感謝を抱いていることをお伝えし、世界のあちこちで今日も子どもと本を結ぶ仕事に携わっておられる方々に、その仕事への評価と感謝をお伝えすることではないかと気づかされました。もしかしたら私は、私の中に今も住む小さな女の子に誘われてここにきたのかもしれません。

そんなような言葉がありましたのでご紹介させていただきました。
最後になりましたが、本大会をご支援いただきました佐久市を初め関係する皆様、また準備に関わられた多くの関係者の皆様方に感謝を申し上げますとともに、ご参集の皆様方のご健勝とご多幸を心から祈念いたしまして私のご挨拶とさせていただきます。

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来賓祝辞 三浦大助 佐久市長

皆様、おはようございます。晩秋のたたずまいとなりまして、この駒場公園佐久創造館で第55回の長野県図書館大会を盛大に開催することを、開催市の市長といたしまして心からお祝いと歓迎を申し上げたいと思います。

佐久市は今年4月1日、佐久市、臼田町、浅科村、望月町の4市町村が合併いたしまして、10万都市として誕生いたしました新しい市でございます。北に浅間山、南に八ヶ岳を望み、市内の中央を千曲川が清流をたたえており、豊かな自然に囲まれた県下で5番目の面積を持つ市となりました。歴史的にも、子弟の教育に情熱を燃やした旧中込学校、書家の比田井天来の業績等、教育文化を大事にする風土がありました。また、中山道の宿場へは、日本に二つだけの星形城郭の五稜郭が田口に残っております。最近は上信越自動車道が開通いたし、また、北陸新幹線の佐久平駅ができまして交通の便がきわめてよくなりました。長野県の東玄関口として、産業、文化の面で大きな発展を遂げております。新しい市章の制定とともに、叡智と情熱が結ぶ21位世紀の新たな文化の発祥の都市をめざし、一人一人のために暖かみと豊かさのある生活空間作りを合い言葉に、エネルギーのあふれる都市作りを進めて参ります。また、当市は全国屈指の健康・長寿の街でもありまして、元気なお年寄りがたくさんおられます。長くなった老後を読書に親しみ英知と情熱を、人生の糧にしてほしいと思っております。

さて、今日は県下各地から大勢の皆様にご参加いただきまして、大会テーマである「豊かな心をはぐくみ生活の中に読書を」を掲げ、「本との出会い 人との出会い 確かな読書環境作り」のサブテーマを期し、講演会や、14部会に分かれた研究会が進められるとお聞きをしております。大人も子どもも活字離れが進む中で、じっくり本を読む楽しさや充実感を味わうことは人生に向かう生きる力であります。この図書館大会を契機に大人も子どもも活字に親しみ、未来に生きる情報処理能力をつけるとともに、人生の指針を与える本との出会いを大事にしてほしいと願っております。佐久市では合併とともに四つの図書館をネットワーク化し、市内小中学校の蔵書のデータベース化とあわせて、市民の図書情報の共有化を図りながら鋭意、読書環境の整理を検討しております。

最後になりましたが、本大会開催にあたりましてご尽力をいただきました、役員・運営委員・実行委員の皆様をはじめ、関係各団体の皆様に心から感謝を申し上げますとともに、本大会の開会を通じまして所期の目的が達成されることをお祈り申し上げ、お祝いの言葉に代えさせていただきます。

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