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「みやぎ図書館フォーラム」並びに震災被災地図書館視察報告

長野県図書館協会
事務局長 宮下明彦

 3月2日、宮城県図書館で開催された「みやぎ図書館フォーラム~震災復興と図書館~」の参加速報です。前日に宮城県東松島市図書館及び名取市図書館を視察しました。
 フォーラムには宮城県内外から100名を越す参加者があり、国民的課題である大震災復興支援への関心の高さが伺えました。詳細は、追って宮城県図書館ホームページにおいて報告されるものと思います。

【宮城県東松島市図書館 加藤孔敬副館長の発表から】

震災直後から、健康、メンタル、いざこざ、生活題等が発生し、情報を求める市民が日毎に増加した。

<震災直後に求められた情報>
石巻日日新聞の壁新聞
感想①人間は極限状況においても衣・食・住、睡眠とともに、情報を欲する。情報を収集、提供する社会的インフラとして新聞社とともに、図書館がある。情報が途絶えと、リスクコミュニケーション(不安・心配→不信→不満)に陥る。

<震災後10日頃から求められた情報>
免許証・保険証・銀行カード等の紛失対応。土地・建物の不動産関係処理。電気・電話料金、水道料等の各種支払や停止方法。転出入届け・死亡届、廃車方法等の行政手続等

<6月1日仮開館後求められた資料等>
新聞、電話帳、住宅地図、古地図、絵本・児童書、葬儀、料理本、国語辞書(各種申請書類、お礼の手紙を書くため)、震災の写真集等

<図書館が行った主な活動>
・3/24日にホームページアップ(加藤副館長情報関係のエキスパート)
・絵本の読み聞かせ。子どもの広場等で全国からの支援本の無料配布3,4回
・随時、市民のメンタル支援として全国から(渡辺謙、新沼謙治、落合恵子等の多くの芸能人が激励に駆けつけている)歌・人形劇・お話会・ワークショップ等を開催。本の受け入れ・紹介
・「小さな図書館」を仮設住宅集会室・仮設市民センターに10ヶ所設置。また、避難所、病院等へ本を配った。
感想②図書館には情報技術、知識を持ったエキスパートが不可欠
感想③人間が希望を見出し、元気を取り戻すには音楽や芸術の力が大きい。そして本は人の心の空腹を満たす。

<その他>
・隣接する市民コミュニティーセンターに自衛隊が駐屯し、遺体捜索等の過酷な作業に従事した隊員のメンタル支援や昇任試験の学習に図書館が役立った。
・熊本市から広域支援としてBMの提供、支援があった。
・寄贈本のミスマッチが大きい。クレヨンハウスは絵本を収集整理し、クリーニングの上ダンボール詰めで送ってもらい大変助かっている。
個人からの寄贈本には使用できないものが多い。
アマゾンの支援システムは大変有効。
図書装備、入力作業を緊急雇用の臨時職員が行っている。

 

【宮城県名取市図書館 菅井美枝子館長の発表から】

<石狩市図書館、北広島市図書館からの応援>
・行政がフリーズを起こし、周辺自治体や住民も被災している中で、以前、視察に行ってご縁が出来た両市の図書館、教委が直ちに救援の部隊(館長等4名、数回)を派遣してくれるとともに、生活物資、蔵書支援もしてもらった。
また、キハラ(株)からは書架解体作業に職員を派遣してもらい助かった。
感想④大震災時は周辺も被災しているので、近くのお付き合いより、遠くのご縁が大事。

<誰かが救援の手を差し伸べてくれる>
・プレハブ図書館(新聞、雑誌等の提供)…図書館振興財団
・移動図書館車・あおぞら号…岩見沢市寄付
どんぐり子ども図書館…ユニセフ、岡本真氏のsave MLAK、神奈川ボランティア支援グループ、東海大学学生等の支援で建設され開館した。

<図書館再開への要望、クレーム等>
・当たり前の図書館にする途中にあるが、図書館の内部事情が分からない利用者、市民から辛らつな批判もある。
・寄贈本はお断りしている。

 

【講演Ⅰ 愛する地域を未来の笑顔につなげます 石巻日日新聞社長 近江弘一氏】
【講演Ⅱ 東日本大震災復興支援から学ぶ 神戸市復興支援員 松崎太亮氏】

みやぎ
芸能人も駆け付けた
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どんぐり図書館内部
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支援本の整理

クレヨンハウスの寄贈本
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石巻日日新聞の壁新聞

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フォーラム

 

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